小金沢連峰前衛 野脇ノ峰(1500m)、吹切峰 (1522m) 2010年10月31日

所要時間 7:29 ゲート−−8:17 斜面に取り付く−−8:27 野脇ノ峰−−8:32 林道−−8:41 斜面に取り付く−−8:49 吹切峰−−8:54 林道−−9:44 ゲート


概要
 姥子山近くを通る林道経由で登る。真木川右岸の林道起点は番号鍵で施錠されておりここから歩きだす。最初だけダートだが真木川を越えると舗装道路が続く。野脇ノ峰南側法面は20m近いコンクリート吹きつけの壁で登るのは不可能なため、その先で法面が切れるところから斜面に取り付く。枯れた笹の斜面で数年もすればきれいさっぱりな斜面になるかも。野脇ノ峰は2つのピークで構成され西側が山頂。枯れた笹で標識等無し。東峰の斜面に三角点あり。濡れた藪を嫌って吹切峰へはいったん林道に戻ったが乾いていれば稜線を行った方がいいだろう。同じように枯れた笹の斜面を登ると吹切峰手前で笹が切れて気持ちのいい斜面となり踏跡も見られた。山頂には赤テープと標石があった。



 今週末は土曜夕方に関東に台風が最接近し、土曜朝から関東甲信越は広範囲で雨。新潟中越や福島北会津まで行けば午前中くらいは雨が降らない可能性があったが、実際に行ったら雨だったらガソリン代がもったいなく、天気予報では日曜は一時的に回復するとのことで近場で済ませることにした。場所は中央道から近い山梨で考えて地図を見ていたら、雁腹摺山から南に落ちる尾根上にある野脇ノ峰、吹切峰が目に入った。ここは姥子山を越える林道のすぐわきにあり、林道から短時間で山頂に立てるので半日勝負ではちょうどいい。たぶん林道は起点でゲートが閉まっているだろうから林道歩きの時間を考える必要があるが、それでも十分だろう。冬になると林道は凍結や積雪で里の近くで入れなくなるだろうから今のうちに登るのも理にかなっている。ただ、地域的に笹が茂っている可能性は結構高く、雨上がり直後だと濡れた藪を漕ぐことになるので覚悟は必要だ。

 久しぶりに当日朝に出発。東京は雨が上がっていたが山梨に入ったら霧雨が落ちてきた。大月を降りても細かい雨が降り続き予定外の雨の中の歩きが決定する。真木集落を通過して林道に入ると盛大に落ち葉が積もっており、台風の強風で落ちたと思われる。高度計で高度を確認しながら進んでいったため、目的の林道分岐はすぐに発見、案の定ゲートが閉まっていたので道端に車を止めて歩くことにした。雨は大ぶりしていないが傘をささないと長時間歩くと濡れる程度は降っていた。なお、ここの鍵は番号式で地元車は知っているようで、林道歩きのさなか、何台か通過していった。

番号鍵で施錠されたゲート 真木川にかかる橋。これを渡ると舗装になる

 林道は最初はダートだが泥濘もなくゲートが開いていれば普通車でも問題なく走行できる路面状況だった。工事用車両だろうか、普段から頻繁に車が通っていることがうかがえた。下りが終わって真木川の橋を渡ると舗装道路に変貌、以降はずっとアスファルトの道を歩いた。周囲は細かい雨が降り続き、ガスがかかって先の様子がわからない。こうなるとGPSの出番で残距離を見ながら黙々と歩くだけだ。

野脇ノ峰南側法面 ここから取り付く
取付場所の南も法面 獣道で斜面に上がる

 野脇ノ峰が近づくと林道の山側が高さ20mくらいのコンクリート吹き付けの垂直に近い壁となり、山頂まで最短距離なのだが登るのが不可能だった。1か所、斜面の巨岩が崩れたところがあってそこから登れるかと思ったが、ここも崖のような場所で無理だったため先に進む。そして法面が切れると少し段差のある斜面が登場、その上には枯れた笹が茂っているのが見えた。ここで傘を収容してゴア上下を着こんで藪突入に備える。斜面に上がるのにちょうどいい獣道もあったが、最後の段差は滑りやすく、笹に掴まってどうにかクリアした。

斜面は枯れた笹が広がる 尾根に上がる

 斜面に上がると下から見たとおりの枯れた笹が一面に広がり、乾いていればいいのだが雨で濡れた今ではゴアの上下は必須だった。ウェストバッグもびしょ濡れになりそうで背中側に回して進み始めた。笹自体はさほど濃いわけではないので上に向けて適当に登っていける。もう枯れているので数年後には完全に倒れて藪が無いきれいな斜面になっているかもしれない。枯れているのが原因なのか分からないが、この笹はかなり汚れていて雨でゴアも手も泥だらけになってしまった。

生きた笹を分ける 東峰の標石
西峰の盛り上がり 野脇ノ峰山頂。笹に覆われる

 稜線に乗ると踏跡くらいあるかと思ったが今までと変わらぬ状況で、左手の高まりにはまだ青い笹が生えている。完全に枯れ果てたわけではないらしい。でもここもさほどの密とではなく構わず突っ込んで進んでいく。すぐに平坦地となり山頂の一角に到着したようだが、GPSを見ると山頂は西側だ。地形図では表現されないが山頂部は東西2つの小ピークで構成され、山頂は西側ピークの方だった。鞍部付近は笹が薄くなったが西ピーク上は再び枯れた笹が密度を増して覆っていた。平坦な地形なのでここが一番高いというはっきりした場所はないが、枯れた笹に覆われた一角が山頂なのは間違いなかった。地形図に無いピークなので標識や目印は無かった。今日は目印用の赤テープは持ってきていなかったし、もし持ってきてもこの雨ではテープを貼ることは無理だろう。

野脇ノ峰三角点 三角点近くの文字が消えた標識

 同じルートで戻り、東ピークで三角点捜索。東側にあるはずなので注意して見ているとありました! 三角点近くには文字が消えた標識も。少ないながらも訪問者がいるようだ。このまま稜線を吹切峰まで歩くことも可能だが、この濡れた笹を500mも歩くのはちょっとイヤ気がさすので、再び枯れた笹を下って林道に出た。

吹切峰はここから取り付く こちらも枯れた笹の斜面
山頂南側のみ笹が切れて気持ち良い斜面が広がる 何となく踏跡あり
吹切峰山頂の標識 吹切峰山頂の赤テープ

 次は吹切峰。林道が下り始めたので適当に取り付く場所を探しながら歩き、浅い谷状の枯れた笹がはびこるところから取り付く。薄い獣道があるがどこを歩いても濡れた笹を多少かき分ける必要はあり、これまた手が真っ黒けだ。高みに向けて北に向かい、傾斜が緩んでこのまま山頂かと思ったらGPSは西寄りにあるとのお告げ。目の前のピークは濃い笹に覆われていたので左に進路を振って進んでいくと別の高まりが見えてきた。その手前だけ笹が無くなって歩きやすい気持ちのいい落葉樹林帯となり、僅かに踏跡が見られるようになった。それを辿ると最高点に到着、標石があって近くの木に赤テープが巻かれていた。ここが吹切峰山頂だ。ここは笹が無いので山頂っぽい場所だった。

帰りは登りの1本北側の谷に下った ゲート到着

 もと来たルートを戻ったはずだったが、特徴が無い斜面で適当に下ったら、登ってきた谷より一つ北側の谷を降りて林道に出た。あとは延々と林道を歩いて車に戻った。残念ながら行きも帰りもずっと小雨が降り続いていた。 

 

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